[URL] の続きです。
なお坂中英徳さんよりも2年ほど前に、在日消滅論を公然と唱えた者がいました。 それは他ならぬ私でして、『現代コリア』第361号(1996年5月号)に「消える『在日韓国・朝鮮人』」と題して投稿しました。 この論稿は2000年10月付けの拙ホームページに再録しております。 [URL] ここでは次のように論じました。
坂中さんによると、在日の帰化者は年間約八千人である。一〇年ほど前までは五千人だったはずであり、これもまた急増している。
在日はその婚姻状況から圧倒的多数が日本人と親族関係となっていき、そしてこれから日本国籍を加速度的に取得していくのである。 冠婚葬祭という民族にとって重要な場面においても大多数の日本国籍とほんのわずかの韓国・朝鮮籍の人々の集まりとなるのは、もはや時間の問題である。 ‥‥ そしてこの間違いなく起こる将来の事態の確認は「新鮮」ではなく「衝撃的」である。
韓国・朝鮮籍という外国籍をもつ存在としての在日は、まもなく消滅しようとしている。
当時(1996年)、「在日消滅」は心では思っていても公の場で言える雰囲気のなかった時代でした。 「在日の消滅」は個人的に陰でこそこそ言われることは多々あったのですが、公然と論じられたのはおそらく『現代コリア』の拙稿が最初だったと思います。 ただしこれは在日問題に関心を持った無名の日本人の論稿でしたから無視されたようで、大して話題にはならなかったし、その後の在日問題を扱う本や論文なんかでも全く取り上げられていません。
そして30年近く経った今、在日の現状はどうなっているのか、本当に消滅するのでしょうか‥‥。 法務省の在留外国人統計 [URL] と民団が公表している在日韓国・朝鮮人統計 [URL] を紹介します。
これによると韓国・朝鮮籍の特別永住者数は、1992年から10年毎の数字を拾いますと
1992年 585,170人
2002年 485,180人
2012年 377,351人
2022年 285,459人
10年毎に約10万人、つまり毎年1万人ずつ減少していることが分かります。
また民団の「性別及び世代別の現状 2021年12月末現在」の統計数字も紹介します。 在日韓国・朝鮮人は、六歳ごとの数字を拾いますと、
0歳 702人
6歳(小学校入学時) 1,354人
12歳(中学入学時) 1,571人
18歳(大学入学時) 1,882人
24歳 3,256人
30歳 5,330人
ただしこの数字は近年のニューカマーも含まれています。 特に18歳を越えると韓国からの留学生らがいますので際立って多くなります。 在日の本来の意味である「特別永住者」はそういったニューカマーを除外せねばなりませんので、この表の数字よりもっと少なくなります。
特別永住者に限った年齢別数字は見つかりませんでしたが、いずれにしても年齢が下がるとともに在日の数がどんどん減っていっていることは明確です。 つまり在日社会もまた少子高齢化しているのです。 いま朝鮮学校は入学者減少のために統廃合が進んでいますが、在日の総連系離れだけでなく、少子高齢化による現象とも言えます。
以上により、在日は「帰化」「日本人との婚姻」「少子高齢化」の三つの要因により人口減少の道を歩んでいることは明らかでしょう。 そしてそれは止めることの出来ない道なのです。 従って坂中英徳さんの「在日韓国・朝鮮人自然消滅論」は今のところその見通しの通りに進んでおり、将来の「21世紀前半中の消滅」という予想はおそらく当たることになると思われます。
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