福田徳三について(2)
2019-04-21


 [URL] の続きです。

 最近では古田博司さんが福田徳三について、次のように高く評価しています。

明治時代に朝鮮を調査した経済史学者の福田徳三は、マルクスの影響を受けていなかったので、李朝末期の朝鮮を見て「まるで平安の藤原時代のようだ」と言った。極めて正しい判断だったのだが、戦後のマルクス主義者の朝鮮研究者は、それは差別だ、偏見だと排撃し続けたのだった。     私は若い頃から彼らとは接触せずに朝鮮史研究を始めたのだが、研究すればするほど福田徳三の見解に近づいていく(古田博司『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』WAC 2014年3月 190~191頁)

明治時代の経済学者・福田徳三は李氏朝鮮を目の当たりにして、まるで平安の藤原時代のようだと言った。土地の所有権ナシ、商店ナシ、行商人のみアリ。今の北朝鮮のような世界である。さぞかし驚いたに違いない。 ‥‥戦後のマルクス学者たちは、世界各地はみんな発展していなければならないし、それは一定の段階を踏んで進んでいくのだと信じていたので、福田に朝鮮差別のレッテルを張りつけて退けた。だが今では、福田の方が正しかったことを研究が明らかにしている。

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 これまでみてきたように、福田徳三は朝鮮史研究でかなり大きな影響を与えて続けてきたことは間違いないところです。 つまり福田が28歳の時に2ヶ月間ほど朝鮮を視察して執筆した一本の論文(「韓国の経済組織と経済単位」 『法律学・経済学 内外論叢』所収)について、宮嶋さんや姜さんのように「朝鮮観の歪み」と見るか、古田さんのように「正しい判断」と見るか。 福田の論文が100年以上経った今なお影響を与えています。

 ところで李朝時代が実際にどういう社会であったか。 古田さんを引用しながら日本と比較して論じたことがあります。 分かりやすく書いたつもりですので、ご笑覧いただければ幸い。

『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(8) [URL]

『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(9)[URL]

『醜いが、目をそらすな、隣国・韓国!』(10)[URL]

朝鮮に封建時代はなかった     [URL]

李朝はインカ帝国なみか?     [URL]

【拙稿参照】

福田徳三が朝鮮独立を支持していた?! [URL]

李氏朝鮮時代の社会        [URL]

成均館大の宮嶋教授        [URL]

成均館大の宮嶋教授 (続)      [URL]


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