『朝鮮日報』の日本語版2月13日に掲載された「『十五円五十銭』を練習する在日韓国人」と題する記事がありました。 そこに、へー!こんな在日がいるのか?とビックリする人が登場します。
東京で知り合ったAさんは在日韓国人2世だ。日本で生まれ、事業を興して60年余り暮らしてきた。疑う余地もないほど日本語は完ぺきだ。文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後、韓日間の「銃声のない戦争」が続くと、次のように語っていたことが今でも頭に残っている。「両国関係が最悪の状況に向かうと、『十五円五十銭(じゅうごえんごじっせん)』と発音してみる習慣がついた。私の発音が本当の日本人と同じか確かめてみるのだ」
日本のお金で15円50銭という金額を意味する「じゅうごえんごじっせん」。この言葉の背景には、日本帝国時代の韓国人の生死がかかった悲しい歴史がある。1923年に関東大地震が発生して10万人以上が死亡した。阿鼻(あび)叫喚の混乱の中で、「朝鮮人が人を殺して井戸に毒を入れた」というデマが広がった。日本軍・自警団が狂気を帯びた目で駆け回った。韓国人らしき人に「十五円五十銭と言ってみろ」と怒鳴りつけた。つたない日本語で言うと、その場で「即決処分」した。6000人以上の韓国人に対する人種虐殺が歴史に記録されている。
「まさかそんなことが再び起きるだろうか」と問い返すと、彼は真顔で言った。「一寸先も見えない状況が続けば、10年後に私のような在日たちの生活はどうなるかわからない」
読んだ当初は「日本で生まれ、事業を興して60年余り暮らしてきた」とあるので、起業して60年余りだから今は80歳代後半か90歳代くらいの方かなと思いました。 しかし2月4日付けの原文を確かめてみると「〓〓〓 〓〓 60〓 〓〓 〓〓〓」とあります。 直訳をしますと「事業をしながら、60余年を生きた」となりますから、今の年齢が60余歳ということです。 日本語訳が誤解されやすいものになっていますね。
このAさんは1950年代生まれと判明します。 この年代の在日韓国人2世なら、家庭内や親戚、友人らとのコミュニケーションはすべて日本語でしょう。 しかも日本国内で長年事業をして来られたといいますから、取引先との協議や契約などは全て日本語になるはずです。 従ってこんな在日2世が「疑う余地もないほど日本語は完ぺき」であることは当然であり、「十五円五十銭」も何ら意識せずに完璧な日本語での発音になるのが普通です。
そんな2世のAさんが韓国人と間違われないようにと「十五円五十銭」を練習しているということにビックリしたのです。 とすれば、彼は「十五円五十銭」を韓国語訛りで発言することがあり、それがうっかり出てくるのではないかと恐れて日本語での発音を練習しているということになります。
在日韓国人でこんなことがあり得るとしたら、常に本国韓国人と接していて、普段は頭の中でも韓国語で考えている場合でしょう。 こうなると、「十五円五十銭」と言う時にうっかりと韓国語訛りが出てくる可能性はあります。 しかし日本で1950年代に生まれ育った在日韓国人2世では、天然記念物的に珍しいことです。 記事では
記者は、自身の日本語の発音をチェックするAさんの不安は杞憂(きゆう)だと思っている。
とありますが、私もその通りだと思います。 では何故そんな「杞憂」をやっているのか? そこが気になるところです。
私の勝手な想像ですが、Aさんは関東大震災の朝鮮人虐殺に関する簡単な歴史概説書を読んで、自分もそんな目に遭うかも知れないと被害者意識に凝り固まったのではないかと思いました。
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