韓国では朴元淳ソウル市長や呉巨敦プサン市長ら、民主化運動を担ってきた人たちによる性犯罪が目立ちますね。 毎日新聞の堀山明子記者が7月29日付で次のようにまとめてくれています。 [URL]
政治的には進歩的でも男尊女卑的な意識や慣習を脱皮できない「民主化運動世代」
朴ソウル市長の活動履歴はこの記事によると、
朴氏は1970年代の学生運動を経て、94年に財閥や政治腐敗を監視する市民団体「参与連帯」設立を主導したカリスマ的な市民活動家だった。人権弁護士出身で、韓国でセクハラ訴訟第1号とされる93年の「ソウル大助手セクハラ事件」を勝訴に導いた実績がある。死の直前まで務めたソウル市長時代には、2014年にセクハラ被害者保護に消極的な管理者を懲戒する制度を作るなど、先進的な女性への配慮を看板施策にしていた。
まさに女性の味方として素晴らしい業績を上げていたのですが、この四年間は女性秘書にセクハラを繰り返してきました。 本人が自殺したので分かりませんが、ひょっとしてもっと以前からもやっていた常習犯の可能性があります。
ところで韓国の民主化運動世代は、日本では全共闘世代に相当すると私は考えています。 全共闘世代の活動家たちの多くは、大学を卒業・中退・除籍してからも活動を続けていました。 活動の場を部落解放運動や民族差別と闘う運動など、人権運動に転身した人も多かったです。 そしてそこでは、性犯罪がしばしば発生していたと言わざるを得ない所でもありました。 下記の拙稿をご参照ください。
活動家によるレイプ事件考 [URL]
それは泣き寝入りではなく自殺だった [URL]
解放運動の「強姦神話」 [URL]
暴力にみる民族的違和感 [URL]
相次ぐ有名人の性暴行事件 [URL]
人権派ジャーナリストの性暴力事件 [URL]
このうち「それは泣き寝入りではなく自殺だった」のコメント欄で、私は次のように投稿しました。
高史明という在日の作家がおられます。 私はお会いしたことがないのですが、会った方から話を聞くことがありました。
高さんは、かつて日本共産党員として過激な闘争に参加し、その後もその立場での作家活動をされていました。しかし、息子さんの自殺を契機に親鸞に帰依され、宗教的な立場に立つようになった方です。 その経歴のためか、彼のもとに左翼活動家たち(元も含む)が、悩みの相談に訪れることが多いということでした。
その悩みの相談で多かったのが、左翼活動内におけるレイプだということでした。
高さんにこのような相談に行ったのは女性活動家でしょうが、彼女たちはどのような気持ちであったのか‥。 連合赤軍事件の死刑囚永田洋子も、活動初期に先輩活動家からレイプされた体験を有していたそうです。
こういう話は、陰でよく聞く割には表にはなかなか出て来ないし、出て来ても無視されるものです。 左翼諸君は、従軍慰安婦問題のような数十年前の旧日本軍のレイプ事件には敏感ですが、現在の身近に起きているレイプには鈍感だ、ということでしょう。
これは10年前の投稿でしたが、読み返してみて訂正する必要はないと思います。
韓国の民主化運動世代が「性」に対してどのような感覚を有しているのか、日本の全共闘世代のそれと共通するものがあるのではないか。 その共通性というのは、表では人権問題に取り組んでいるように見せながら実は性犯罪を繰り返している、しかし反権力闘争を実践してきた経緯から被害者は表沙汰にしてこなかった、というものです。
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