金時鐘『「在日」を生きる』への疑問
2018-03-01


 金時鐘さんが最近、佐高信との対談集『「在日」を生きる―ある詩人の闘争史』(集英社新書 2018年1月)を出されましたので、早速購読しました。

 金時鐘さんの名前と法的地位に関して、どのように説明されているかに関心があったからです。

 金時鐘さんは、生まれてから20歳まで使っていた本名が「金時鐘」です。 そして1949年に日本に密入国した際に入手した外国人登録の名前が「林大造」であり、以降日本ではこの名前を本名として暮らして来られました。 そして2003年に韓国にこの「林大造」という名前で本籍を設けられました。

 つまり父を金鑚國、母を金蓮春とする「金時鐘」は、今は日本でも韓国でも「林大造」という名前の人物となっているわけです。 「金時鐘」という人物は、日本にも韓国にも公的には存在しないのです。

 そして不法に入手した外国人登録名「林大造」のまま、今まで生きてこられたのですから、おそらくこの別人である「林大造」さんの在留資格を引き継いでおられるものと推定できます。 日本の当局には、「金時鐘」はペンネーム、本名は「林大造」であることで押し通しているとのことです。

 この事実を拙ブログでは下記のように指摘して疑問を呈しました。 そして今度新しく出された『「在日」を生きる』ではどのように説明されているのかに関心があって購読したわけです。 しかし読んでみて、全く触れられていませんでした。 

 名前と法的身分(日本の在留資格、韓国の本籍)への疑問と、彼の思想・主張とがどのような整合性があるのか、その辺を知りたかったのですが、残念な気分です。

金時鐘『朝鮮と日本に生きる』への疑問 [URL]

金時鐘さんの法的身分(続)     [URL]

金時鐘さんの法的身分(続々)   [URL]

金時鐘さんの法的身分(4)    [URL]

金時鐘さんの出生地        [URL]


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