在日がみんな帰化すれば、問題そのものがなくなるというのも事実(158頁)と言っています。
在日韓国・朝鮮人は1991年以降「特別永住」という在留資格を有していますが、これは他の在留資格と比べて、もうこれ以上はないと思えるくらいに有利なものです。 しかしそれでも外国人である限り、日本人ではありませんから日本人と全く同じ権利ということはあり得ません。 これは世界どこの国でも共通しており、姜さんの国である韓国あるいは北朝鮮でも同じです。
しかし姜さんは、在日は外国人でありながら日本人と同じ権利を要求しています。 つまり姜さんの考えは、日本人と同じ権利が欲しい、しかし帰化するのは嫌だ、いつまでも外国人であり続けたい、ということになるでしょう。 そして日本人と同じ権利のないことが「(在日が)苦しんだり悩んだりしている」(169頁)のだと主張するのです。
ですから在日は外国人である限り、いつまでも「苦しみ悩み」ながら生きていく、ということになります。 1990年代は、在日韓国・朝鮮人は被害者で「苦しみ悩んでいる」、そして日本人はそんな在日の「苦しみや悩み」を理解して自分たちが加害者であることを自覚せねばならない″という考え方が主流だったなあと思い出されます。
そう言えば「こんな惨めな(ずっと苦しみ悩むような)生き方はしたくない」と吐き捨てるように言った若い在日がいましたねえ。
今でも思い出しますが、1980年代に在日一世のおばあさんたちから身世打鈴(身の上話)を聞き書きしていた時、「日本に来て苦労したが、住めば都で日本もなかなかいい所や」と日本での生活を肯定しておられました。 また「うちら外国人なんやから指紋を捺すのは当たり前や」とも言っておられました。 生活の苦労はあっても、日本社会から差別されて「苦しみ悩む」なんて言っておられませんでしたねえ。 (終り)
李青若『在日韓国人三世の胸のうち』(1)―強制連行 [URL]
李青若(2)―「あなたは同化しているね」 [URL]
【拙稿参照】
在日の日本志向は1970年代後半から [URL]
在日は日本の「豊かさ」を直感した [URL]
在日の功績 [URL]
在日は日本が住みやすかった [URL]
「朝鮮人は朝鮮に帰れ」考 [URL]
身世打鈴 [URL]
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