ビックリ「安倍晋三」論 ―ハム・ヨンジュン(2)
2019-12-04


[URL] の続きです。

彼らは正にそれ以降、朝鮮半島植民地支配を主導した長州出身たちだ。 今は山口県と呼ばれる長州は、1868年の明治維新以後、大部分の帝国主義侵略と戦争を主導しただけでなく、今までも日本の政・官・軍を支配する総本山だ。(その上に組織暴力団「山口組」もヤクザの最大勢力だ。)

 「長州出身者たち」というのは、前回にあるようにハムさんが閔妃暗殺事件に関与したと考えている、井上馨・伊藤博文・山縣有朋・三浦梧楼のことです。

 明治以降の帝国主義的侵略は旧長州藩士が主導したというのは、かなり以前に日本の革新系の誰かが言っていたのを記憶しています。 ハムさんによると、長州出身者は今の日本でも政治・官僚・軍事を支配しているそうです。 これは「真説 隠された日本の裏面史」とかの類のトンデモ歴史書の世界と同じですね。 酒席の与太話としては面白いですが、ハムさんはこれを真剣に信じておられるのですねえ。

 さらに「山口組」が出てくるのには驚きました。 山口組は初代と二代目組長の名前が「山口」だったというだけで、山口県とは何の関係もありません。 冗談かと思いましたが、括弧書きで明記されています。 私の創作ではありませんので、念のため。 しかしハムさんはこれも真面目に書いておられるので、ビックリです。

歴史上、日本最長の総理として、乱暴に韓国を扱っている安倍晋三総理も、やはりここの出身だ。 父親が外務相、外祖父二人が総理、高祖父が旧韓末に朝鮮駐在日本軍司令官を務めた、長州人脈の皇太子だ。

 外務相とは安倍晋太郎、外祖父二人とは岸信介と佐藤栄作、高祖父は大島義昌です。 ところで安倍総理を「長州人脈の皇太子」と呼んでいます。 つまり安倍総理が朝鮮侵略を主導した長州人の系譜を引いているということです。 これも酒席の与太話としては面白いのですが‥‥。

彼は二回目の総理就任の8ヶ月後である2013年8月13日、記者を帯同して、故郷の山口(長州)に下り、「最も尊敬する英雄」吉田松陰(1830〜1859)の墓を参拝し、「正しい判断をしよう」と誓った。 いったい松陰は誰で、「正しい判断」とは何の意味なのか。

下級の侍の家の出身である吉田は19世紀の幕府体制破壊など、超強硬な体制変革を図り、29歳に国家保安法で処刑されるが、その前に松下村塾を設立し、伊藤博文を始め、日本帝国主義の主役たちを直接育てた。彼の世界観は、獄中に書いた「幽囚録」にそのまま出ている。

「朝鮮を属国化し、満州・台湾・フィリピン一帯を鹵獲する。 列強との交易で失った国富を朝鮮と満州で償わねばならない。」

彼らには「ソウルに残しておいた夢(漢城之残夢)」がある。 19世紀に日本を代表する知識人が慶応大学を設立者である福沢諭吉の言葉のように「朝鮮は奪われることは出来ず、奪われてはいけない唇亡歯寒の関係の地」である。

 吉田松陰は幕末当時の社会ではかなり先を見通した先覚者として大きな意味があります。 欧米列強に対抗して、周辺諸国にまで日本の版図を広げようと主張しました。 今では帝国主義的侵略思想となりますが、当時としては画期的で、百年先までの日本をかなり正確に展望していました。 その点はハムさんも高く評価(ただし逆の意味で)していますね。 なお松陰は、100年後に日本が全面敗北することまでは予想していませんでした。

 ところで「漢城之残夢」は福沢諭吉の言葉ではなく、彼の弟子である井上角五郎が出した本の名前です。 彼の名前が出てこないのは不思議です。 また日本と朝鮮が「唇亡歯寒の関係」と言ったのは福沢諭吉としていますが、ちょっと調べてみても出てきませんねえ。 諭吉なのか角五郎なのか、二人の経歴からすると角五郎の言葉のように思えるのですが。


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