〓〓〓(柳時敏)の『〓〓 〓〓〓〓〓(私の韓国現代史)』(2014年7月 〓〓〓(石枕))の続きです。 [URL] この本で、「ああ、そう言えばそういう体験者の話を聞いたことがあったなあ」と思い出させてくれたのが間諜(スパイ)申告です。
1970〜80年代の韓国は軍事政権時代で、北朝鮮と激しく対立していました。 韓国は北からの間諜(スパイ)侵入を警戒して、国民に怪しいと思ったら間諜申告することを呼びかけていました。 申告して本物の間諜であったら多額の報奨金が貰え、逆に申告しなかったら不申告罪という罪になりました。 韓国ではこのようなことを小学校時代から国民に教えていたのです。
それではどのような人間が「怪しい」とされたのかについて、当時の政府が『19の間諜識別法』という冊子を作っていました。 そのなかに「一人で旅館・ホテルに投宿しながら、アガシ(若い女性)を呼ばない者を疑え」という項目があったことを、この〓〓〓(柳時敏)の本で初めて知りました。
私の知人の話ですが、父親がかつて朝鮮総督府で働いたことがあり、多数の資料を残して戦後日本に帰国しました。 この資料を受け継いだ韓国側がこれについて聞きたいことがあるとして父親を招待し、知人はこれに付いて行った時のことです。 向こうの招待ですからそれなりの格式のあるホテルで、父親は一人で寝たいからというので別々の部屋を取りました。
夕食が済んで部屋にいると、若い女性がノックして部屋に入ってきました。 知人は帰ってくれ、父親も一緒に来ているのにそんなことは出来ないと断ったそうです。 女性は、だったらお父さんの方にももう一人呼びましょうかと、しつこく勧めてきたのをきっぱり断ったのですが、しばらくして警察がやって来て取り調べを受けたのでした。
この話を聞いてその時は、それはスパイのような顔をしていたからじゃないですか、などとからかったのですが、実はこの場合はスパイとして申告されるのが当然の事態だったのです。
男性が一人ホテルに泊まれば女を買うのが当たり前、それをしなかったら怪しまれる。 今の韓国では想像もつかないことでしょうが、ほんの3・40年前までの韓国は売買春が横行していており、政府も国民もそれを当然のこととしていたのでした。
この時代に日本では韓国への買春目的の‘キーセン観光’に反対する運動が盛んで、韓国内でもこれに同調して日本を糾弾する市民団体がありました。 曰く「日本による性侵略」だと‥‥。 しかし韓国政府自体が買春をしなかったらスパイを疑えと教えていたことについては、口をつぐんでいましたねえ。 今ようやく、この事実を知ったということです。
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