対北ビラ散布風船の費用―詐欺なのか
2020-06-19


ところでこの内訳を見て疑問に思うのは、ビニールの切断費があっても、それをつなぎ合わせて風船にする接着費がないことです。 ガス漏れを起こさないようにビニールを接着していくのはちょっとした技術と道具と手間が必要だと思うのですが、何故かありません。 さらに風船、ガスボンベ等を運ぶ車のガソリン代は計上されていますが、車の借り上げ賃や運転費がありません。 

 それから6月15日付けの記事にある、風船に積まれているはずの「小冊子50冊、1ドル紙幣2000枚、携帯用保存媒体(USBメモリ)1000個」が計上されていないこと。 これを私なりに計算してみますと、次のようになります。

 一ドル紙幣2000枚ですから2000ドル。これは約247万ウォン(約22万円)になります。 飛ばす風船は10個ぐらいですから、1個当たりにすると24万7千ウォン(約2万2千)円です。 また同時に積まれているUSBメモリー1000個の値段もないこと。 USBなんて、ギガ数の少ない超安物の中古品を大量買いしたら一個500ウォン(約45円)くらいでしょうから、1000個なら50万ウォン(約4万5千円)。 風船一個当たりにすると、5万ウォン(4500円)ですかねえ。 小冊子の方は値段の付けようがありませんが、印刷製本費が一冊500ウォン(45円)として50冊で2万5千ウォン(2250円)。

 ということで、私の計算ではドル紙幣代247万ウォンとUSB代50万ウォン、小冊子代2万5千ウォンの計299万5千ウォン(約27万円)。 風船一個当たりにすると約30万ウォン(2万7千円)を更に追加する必要があります。

 6月17日付けの記事では風船の原価は一個当たり「12万ウォン(1万余円)」だということになっていますが、私の計算では上述の30万ウォンを加えて42万ウォン(約3万8千円)、さらにビニール接着費や車の借り上げ費等、その他私の見落としもあるでしょうからそれも加えて50〜60万ウォン(4万5千万〜5万4千円)くらいが実際の原価になります。 なおこれは私のまことに勝手な計算ですが、当たらずとも言えども遠からず、と考えています。

 これ以外に通信連絡費や消耗需要費、交通費等々の現場経費、事務所維持費、人件費等々なんかも加えれば、ビラ散布する脱北民団体が一個当たり150万ウォンだと言うのは、それほど不当なものとは思えないのですがねえ。

 ハンギョレ新聞が「完全な詐欺」だとするには疑問を抱いた次第です。


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